四十過ぎの手習い・ソムリエ試験の受験勉強 その1

ソムリエ試験に合格した。

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日本ソムリエ教会によると2019年までのソムリエ資格取得者の累計は33,589人、
またここ数年は年に4、5,000人の合格者が出ていて、合格率はおよそ30%台。
そこまで難易度の高い資格とは言えない。
しかしながら、飲食業に従事している人間からするとなんとなく高い壁のように思えてしまうのも事実。
自分自身、20年この業界で働いていて、同業の仲間や先輩やら後輩やら、周りにソムリエ取得者はいたけれど、
特別その必要性を感じなかったってのもあり、受験勉強に費やす努力を避けてきた。

だけど2020年、世界は一変した。いまさら語るまでもない新型コロナウイルス禍。
飲食業界も大打撃。休業や閉店も相次いだ。
僕は2017年に自分の店を閉店し、2020年現在とある企業に属していたので、
休業補償を受けながら4月5月はステイホームを続けることができた。

さかのぼること今年の3月、仕事が先細りを始め、4、5月は完全に休業になることが伝えられた。
さあどうするかな、コロナによる不安なニュースばかりが流れるけれど、
かといってステイホームに甘んじて毎日ごろごろしててもしょうがない・・・・・・。
どうやら時間はある、しかし金はない。
そこで思い浮かんだのが、ソムリエ試験を受けてみることだった。
いや、正確にはソムリエ試験の勉強をとりあえず始めることだった。

協会のホームページを調べてみると、協会編集のテキスト代込みの受験料が一次試験1回受験で29,600円、2回受験で34,440円。
以前のペーパー方式、マークシート方式が廃止され、2018年からパソコンを利用したCBT方式に変更になったとのこと。
どちらにしろ安くはないけど、受けるなら2回チャンスはあったほうがいいよな・・・・・・
とは言えホントに覚えられるのか?ろくに勉強もせずに34,000円をソムリエ協会に上納するだけになってはいかん。
そう日和って、申込みはせずにとりあえず市販の参考書を買って勉強を始めることに。
もちろんワインスクールに通うという選択肢はハナからない。スクールの資格取得講座の受講料はだいたい10〜15万ほどかかる。そんな金はない。


ネットの情報と書店でいくつか見て、買ったのがこれ。


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https://www.amazon.co.jp/dp/4816368272/ref=cm_sw_r_cp_awdb_imm_c_SmC0FbD1HEJMK?_encoding=UTF8&psc=1
「ワイン受験テキスト&模擬試験 自由が丘ワインスクール編」(ナツメ社)
本来当年度版を買うべきところなのだけど、3月末の時点では未発売だったので19年度版を。
持ち歩く前提だったのでそれほど大きくないのが良い。あとそんなに高くない。
まずはこれを中心にひたすら暗記。
・・・・・・なのだけど、とにかく集中力が続かない!
なんならいざ始めようと机を前にしても、スマホやらラジオやらに気がいってしまって勉強が始められない!

そりゃ仕事してきて覚えなきゃいけないことや勉強しなくちゃいけないことなんて山ほどあったけど、
ちゃんとした試験勉強なんてそれこそ20年来離れてるからな。
家だと誘惑が多すぎるので、自粛期間でも営業していた近所のドトールや、公園、大学のベンチなど、
極力環境を変えて、まずは参考書とノートを開くという習慣を身体に馴染ませることに。
自宅近くに某国立大学があって、構内の芝生広場が近所の住民たちの散歩道・憩いの場になっている。
散りゆく桜の下で参考書なんて開く。その大学の空気、雰囲気を味わうだけで、なんか自分も勉強できるようになった気がした笑
(その後コロナの感染拡大によって、ベンチが使用禁止になったり構内立ち入り禁止になるのだが)


そしてさらなる問題は、四十代という年齢、加齢による記憶力の低下・・・・・・。
日々の積み重なる飲酒で脳が相当に縮んでいるような気もしないではない・・・・・・。
今日やったところを明日になるとけっこう忘れている。
一週間後には頭の中の「ソムリエ試験フォルダ」からすっぽり抜け落ちている。

そんななか、国家資格試験を経験している友人から興味深い情報を教えてもらう。
エビングハウス忘却曲線

https://atsueigo.com/forgettingcurve/

留学に必要な英単語の大量暗記や、それこそ資格試験のような受験勉強をしている人たちには当然のように
知られた勉強法らしい。これによって復習をする適切なタイミングを意識することができた。

もう一つはポモドーロ・テクニック。
ポモドーロってなんだよトマトかよ、って聞いたら、まさにそれで、イタリア人の起業家が愛用していた
トマト型のキッチンタイマーを使って時間を管理していたらしい。

https://www.newsweekjapan.jp/amp/stories/carrier/2019/03/post-11867.php?page=1

これに関しては名称こそ知らなかったけれど、「自分の集中力が続くのは20分からせいぜい30分だな」と
感じ、スマホのタイマーを使って20分勉強したら5分息抜きして、今日は集中できるなと思ったら30分、
というように時間を区切りながら勉強していた。教えてもらう前から。
さすがじゃん、オレ!

なんとなく「勉強をする」という習慣がついてきて、集中力も続くようになって気がした。
そして5月を迎える。
世間ほまだまだ自粛期間、ステイホームは続く。


長くなってしまった……その2へ続きます笑